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ザ・メイヤー 特別市民のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・メイヤー 特別市民(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ソウル市長選を争う政治家の話。

政治の世界のダーティーな裏側を描いた作品で、一言で言えば、韓国版『ハウス・オブ・カード』って感じかな。

動画の切り取りを利用した展開は面白かったし、身内の不祥事や反社との写真など、日本でも見覚えのあるスキャンダルが出てくるのも面白い。
選挙の話なのに政策については触れず、SNSの反響と敵候補へのネガキャンしか描かれないのは、現実の選挙戦に対する風刺なんでしょうね。

物語的には、汚い手を使ってでも当選しようとする市長と、市長の寝首を掻こうとする選対部長、彼らのやり方に反感を覚える広報女性の3人の姿が描かれます。
チェ・ミンシク、クァク・ドウォン、シム・ウンギョンと実力派俳優が揃っているので、どのキャラクターも良いんですけど、2時間の映画には詰め込み過ぎかな…と思いました。

『ハウス・オブ・カード』の様なドラマシリーズなら、これくらい多様な視点を入れても良いと思うのですが、映画なら1人の視点に絞った方が良かったんじゃないかなと。
例えば、市長が娘に罪をなすりつけるシーンとか、かなり衝撃展開なのに、結構あっさりと処理されちゃうんですよね。
個人的にはチェ・ミンシク演じる市長に焦点を絞って、この男の得体の知れない怪物的なキャラクターをもっと見たかったです。

韓国の選挙がこんなにもアメリカナイズされ、ただの人気取りゲームになっているのはショックでしたが、今やどの国の選挙も似た様なものなのかもしれません。
まぁ、こうしたポリティカルな映画を作れる分だけ、日本よりはマシな気もしますが…。
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