「なぜ戦わないと弱虫なんだ」
よかった、久々に泣いた。誰かと誰かを無理やりに闘わせて楽しむのはクソだ。
「僕は戦わないよヴァリアンテ。殴っていいけど花には手を出すな」
「戦わないでチャンピオンになれる？」
「フェルディナンド…、そんな世の中ならどんなにいいことだろう」
闘牛って、どうなのよ。スペイン
…そうそう、前にスペイン一度行ったけど、壁に鉢花があるんだよねぇ。素敵。
花の匂いを嗅ぐのが好きな優しい牛が、闘牛小屋から逃げ出して拾われて育つ。
そして闘牛として出場する。
酔ってる時に見たから、すごく沁みる。
立派になったフェルディナンドはデカ過ぎて花祭りに連れてもらえず、勝手に行こうか悩む。
「この石が消えて無くならなければ行く」
鳥が掻っ攫う
「それなにに使うの！」
「みんなが僕を野獣だって！」
「最近鏡見てるか？」
でけー牛が食器を重ねられたところを割らずに通ろうとする所とか、適当に緊張感でる。
「ここじゃいい奴は生き残れないぜ」
「牛は闘うか、肉にされるか、だ」
「ありがとう。お前はいい奴だな…。なぁフェル、グアポみたくなりたくなきゃ戦わなきゃダメだぞ。それだけはヴァリアンテが正しい」
「別の道もある。戦いが全てじゃない」
「花を嗅いでヤギとつるむのか？」
「僕はね。君は君らしく生きたらいい」
「ほっとけ」
「…君なら闘うと思ってた、残念だよ」
