その

蜷川幸雄シアター「身毒丸 復活」のそののレビュー・感想・評価

3.4
一周忌追悼企画「蜷川幸雄シアター」で観に行きました。
藤原竜也の迫真の演技の根底が見れると聞いていたので、ずっと気になっていた作品なのですが…今回は劇場の大画面、音響で観れるいい機会でした。

これ、生で見てたら熱量とかすごかっただろうなー…スクリーンで観ても「なんかどえらいものを見せられた…」と放心しちゃうくらい圧倒的な世界観を繰り広げていました。

あとやっぱ舞台は役者の演技が光りますね…
藤原竜也はもちろんのこと、白石加代子さんの迫力もすごい。
白石さん演ずる撫子には「女としての撫子」「妻としての撫子」「母としての撫子」それぞれの気持ちと葛藤があるわけですが、もうその切り替わりが自然というか…義母として身毒丸に打ち解けてもらえるよう明るく接するところとか、今までとは違い妻として家のことを取り持たねばならないところとか、女としての性や望みとか…見ていて違和感なくはまるというか。
テレビや映画の映像媒体ものと、舞台とかのストレートプレイの生の芝居や見せ方って変わってくると思うんだけど、お二人とも本当に全身全霊で熱い芝居のぶつかり合いを見せてくれます。

正直話は「おや?」と思うような展開だったり、詩的な言い回しで理解が追い付かなかったりでちょっと難しかったんですけど、作り上げている世界観や役者の怪演が光る作品だと思います。
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