「よくある」といった感じの総集編
総集編といえばテレビアニメ版を加筆・修正し新たな側面が加えられたものと、単にテレビアニメ版を切り貼りし要所要所をまとめたものの2種類に分けられる。今作は圧倒的に後者だ。
全50話の話数を誇るテレビアニメ版をわずか3つの総集編でまとめようというのがそもそも無理がある話であるように思う。メインストーリーの大筋を追うことには成功しているが、やはりというか、心理戦やこまごまとした戦闘パートは真っ先に削減の対象となり、音楽とともにダイジェスト的に消化されてしまっている。加えてマオのシーンがすべてカットされているためそれに伴ったシャーリーの葛藤も一切描かれていない。
藤堂の奪還戦についても空気感を壊さないためか何やら曲があてがわられ、1つのシークエンスとして消化されているがそれによって作り出される空気も微妙なので何とも言えない。
シナリオの要所をつかむためにはちょうどよく、元のテレビアニメ版の出来が良いのである程度の面白さは担保されているが、よくある総集編のよくない手法を使ってまとめられているのでまずまずの出来に落ち着いている。一度テレビアニメ版を見たオタクが振り返るには良いかもしれないが、これで反逆のルルーシュの初見を果たすのは辞めてほしい。
