冒頭から「追う」イーストウッド。老いによる身体の衰えだとかそんなことはどうでもいいと思わせてくれる、素朴な安心感がある。
イーストウッド独特の怪しげな雰囲気(三人がドーナツを囲んで話すシーンを見よ!)が今作も存分に作用しており、それゆえに犯人をほとんどバラしてしまうほど。
イーストウッドの能面顔が醸し出すサスペンス。反復されるコンビニに停車する犯人の車。一度目の不穏感が二度目の唐突の活劇シークエンスの契機となる。車が去ったのを見てからの「次に会ったらこうしてやる」的な覚悟が
イーストウッドの能面顔によって隠され、あたかも突発的に思える発砲につながるだけなのだ。