RyoIkeda

ブラッド・ワークのRyoIkedaのレビュー・感想・評価

ブラッド・ワーク(2002年製作の映画)
3.5
クリント・イーストウッドの贈るサスペンス長編。

元FBIの敏腕捜査官マッケーレブ(イーストウッド)は、老いと心臓の移植手術を理由に一線から離れ、隠居生活を送っていた。
ある日、彼に持ち込まれた未解決の殺人事件が彼を再び捜査へと駆り立てる。
展開としては、ベテラン老記者が無実の死刑囚を助ける『トゥルー・クライム』に似ている。しかし、それ以上に本作はサスペンスらしいサスペンスだったように感じた。

スリリングな追走劇から伏線の回収。
展開としては、割と平凡な部類に入るのかもしれない。

しかし、イーストウッドがただのサスペンスを撮るわけがない。
物語の後半、マッケーレブに正体を見破られた犯人が放つ言葉。

「俺とお前は、カインとアベル。どちらかが死ねば、片方も死ぬ」

正義があるから、悪がある。
悪があるから、正義がある。

どちらかが消えれば、もちろん片方も消えてしまう。
だが、イーストウッドはそんな善悪二元論を否定してくる。
マッケーレブは容赦なく、犯人に銃を突きつけるのだ。

『ダーティハリー』におけるハリーvs."サソリ"を思い出させるような作品
RyoIkeda

RyoIkeda