ライカート作品は2作目の観賞。
「オールド・ジョイ」がめっちゃよかったので期待して観賞しましたが、
今作もめちゃめちゃ好きでした。
主人公コージーの破滅的な願望に対して、
実家を追い払われそうなダメ男が呼応しちゃって
本人たちはボニー&クライドのつもりだけど
何一つ一線を越えることができないまま。
男女2人がモーテルにこもっても
そこにセックスすら生まれない。
「現代的」とついつい言いたくなるが、
これは30年前の作品。
そう、「映画みたい」にいかないのは今も昔も一緒。
銃から連想されるロマンスは見事に打ち砕かれ、
しかも地元すら抜け出すことができない。
2人がまとう青が美しく、
なんともない風景がとにかくかっこいい。
地元、地獄のような実家、
なのに配置や配色が不自然じゃなくいい。
そーいや序盤に陰惨な事件現場の写真が挿入されてたり、
意味深なカットがそこかしこに散りばめられてた。
と言ってもやっぱり何も起こらずに、
なんとなく主人公だけ抜けてく感とかたまらんよ。