菩薩

リバー・オブ・グラスの菩薩のレビュー・感想・評価

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)
4.5
ジョン・カザール以来最高の仕上がりのハゲと圧倒的太腿&布面積足りないBBAの何処にも行けない何にもなれないまるで意味のない逃避すら出来ない現実逃避劇。なんなのこの「生まれた時点で詰んでる」感、これを「さっぱり分からない」と福山ボイスで突き放したい人生だったが、残念ながら俺には「分かりみしかない」と受け入れるしかない。正しく男と女と車と銃の映画でありながら、男と女の間に何が起きるでもなく、その銃で誰かが殺められるでもなく、その車が此処では無い何処かへ連れて行ってくれる訳でもない、その手には25セントの希望すらない。叶わない妄想、短か過ぎるタバコ、殺せたかも分からないゴキブリ、売れないレコード、踏み倒せないモーテル代、先を越される強盗、映らないテレビ、返金出来ないチケット。愛なき恋愛映画、道なきロードムービー、罪なき犯罪映画とまさにその通り、新聞にも載らない、ニュースにもならない、ただの裸足の虫ケラ二人のヴァカンスですらない四日間の非日常の先には、結局変わらない絶望的な日常が立ち塞がる。しかも「もうやめて!とっくにライフはゼロよ!!!」と叫び出したくなる寸前に丁度良い尺で終わるんだもの、これは人生詰んでる族にはめちゃくちゃ効く劇薬になる、用法容量守らないとちゃんと死にたくなるからご注意を。

「こうして全てを捨て去っても、見慣れた場所にいるなんて」
菩薩

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