なやら

春の夢のなやらのレビュー・感想・評価

春の夢(2016年製作の映画)
4.5
大好き! まず現代日本では有り得ないような寂寥感マックスのロケーションが超ツボだし、コッチは寂れてるが線路の向こう側は堆い摩天楼、みたいな江南ー九龍村的対比画が滅茶苦茶シビレる。ソウルでならばロマンポルノが撮れると思う。
あとヘンテコなカッティングな。辛うじて時系列こそ真っ直ぐ進んでいく(?)ものの、ドラマとか見せ場が発生しそうになった途端、唐突なのに絶妙なタイミングでカットを飛ばすとかしてストーリーテリングを煙に巻いていくズラシ・カワシの感覚が楽しい。あと重要なコトはショットの中で生起するのでなく、いつも既に起こっている、みたいな感じがなんか夢見てる時っぽいなー、と考えながら観てた。あらすじ化不可能。
後半に進むに連れてコケオドシに見える所が出て来て嫌だったけど(エキセントリックな事するポッと出キャラ×3~4人はさすがにサムい)、中盤タイトルバック(結構時間経ってから出る)あたりまでは超没入して観た。てかタイトルバック出るちょい前の、飲み仲間たちが突如「消失」する360度旋回が怖すぎる!
確かに飲み屋でウダウダやる種の映画ではあるけれど、ホン・サンスと似ているとはあまり思わなかったな。ホンの飲み屋がどんどんオシャレ化する一方、コッチの飲み屋は三方ビニールハウスの掘っ立て小屋!
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