Nyayoi

ありふれた話のNyayoiのレビュー・感想・評価

ありふれた話(2009年製作の映画)
4.0
近くのミニシアターで東南アジア映画特集をやっていて観ることができた。
タイの映画。女性であるアノーチャ監督の初長編作品。

事故で下半身麻痺となった青年エイクとその介護人としてやってきたパン。
心を閉ざしていたエイクだが、次第にパンに心を開いていく。
裕福な家のエイクだが、母は亡くなり、父は感情を見せず、使用人たちに家のことを任せている。パンは貧しい家の生まれで父は出て行ってしまい、母も亡くなっている。

ありふれた環境ではないかもしれない。映像は彼らの日々を静かに追い、彼らのありふれた毎日の行動を映し出している。
無表情のエイク。事実を受け入れなければならない、諦めが前向きにな気持ちに少しずつ変わるのが、言葉がなくとも伝わってくる。

突然、地球から宇宙へと映像が切り替わる。
2人で星を見る。人間は小さな存在だ、でも生きている、貴重な存在なのだ、と何かを告げているようだった。
ラストは帝王切開の映像。生まれた赤ちゃんがきれいに整えられていく。
人間の神秘を示しているようだ。

と言っても唐突なラストに戸惑う人もいるかな。。
途中、こんなの映していいの?という場面もある。

東南アジアの雰囲気にはハマってしまう。
こういう時に観ないと、サブスクでは観られないのが残念だ。
Nyayoi

Nyayoi