このレビューはネタバレを含みます
ヴィランからダークヒーローになるシンビオート
11月にヴェノムの新作映画が公開されるにあたって復習のため再視聴。
一度目は本作の公開当時かなり面白いと話題となっていたため、映画館で視聴。
二度目はunextでの視聴となった。
本来このシンビオートというキャラクターはスパイダーマンに登場する悪役である。
宇宙の彗星に生息している、ゲル状の生物で地球環境が生存に適していない。
だが、現地の生物に寄生することで環境に適応し生存することができるのだ。
さらに寄生した生物を自在に操る能力があり、ゲル状の体を寄生先の生物に纏わせることで身体能力を強化したり触手や武器として使用して攻撃することもできる。
そんな生物が地球の負け犬リポーター、エディ・ブロックに寄生してしまう。
エディは当初混乱するものの、シンビオートの圧倒的なパワーを気に入っていく。
また、エディに寄生したシンビオートヴェノムも、また、シンビオートの中では負け犬らしく、エディや地球の環境を気に入り徐々に協力的になっていく。
寄生獣のしんいちとミギー、うしおととら、呪術廻戦の虎杖と宿儺、遊戯王の遊戯とアテムなど、過去から現在まで一つの人格に二つの魂や生命が宿るのは人気のテーマである。
バディものとして徐々に関係性を結んで最終的には協力的になる展開は物語のカタルシスを産む。
本作もエディとヴェノムというバディが産まれ、最初は利害の一致でしか動かなかった二人が、最終的にはお互いの為に命をかけて戦うにまで至る。
エディはただの人間なのでなんの戦闘能力もない。ヴェノムはエディがいないと地球環境を生存することができず、死んでしまう。
そう言った損得の関係を乗り越えた先に生まれる友情こそ真に美しい関係だと私は思っている。
実際敵キャラのドレイクとシンビオートのコンビは利害の関係でしか結ばれておらず、ヴェノムコンビとの対比になっている。
ED前の日常のコンビニ強盗をヴェノムが追い払うシーンは個人的にかなりのお気に入りシーンだ。