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それからのsonozyのレビュー・感想・評価

それから(2017年製作の映画)
4.0
何だかクセになるホン・サンス作品。こちらは2017年のモノクロ映画。
監督が愛するキム・ミニとの4作目。

劇中にも登場する夏目漱石の『それから』がタイトルに。

ボンワン(クォン・ヘヒョ)が経営する小さな出版社。
大学教授の紹介でアルム(キム・ミニ)が働くことになり、その初日。

その日の午後、会社にボンワンの妻(チョ・ユニ)が乗り込んできて、アルムはいきなり罵倒&殴られてしまう。
妻がずっと怪しんでいたボンワンの愛人と勘違いしたのだ。

愛人のチャンスク(キム・セビョク)は会社を辞めていて、その代りにアルムが入社したという事を知り、初日から痴話騒動に巻き込まれ呆れるアルムは、辞めると言うが、ボンワンは謝罪し引き止め、アルムも渋々続けることにする。

しかし、その夜、愛人だったチャンスク(キム・セビョク)が突然会社に戻ってきて、ボンワンは・・・

今作も、限られた場所、少ない登場人物、酒を交わしながらの対面会話劇、「何のために生きてるのか?」といった本質的な問いかけ、お得意のズーム&パンなど、ホン・サンスならではの作風で、同じようなことを繰り返してしまう人間(特にしょーもない男)の"可笑しみ"が楽しめます。

夜の雪の中、タクシーの窓を開けるキム・ミニの美しさはお宝です。
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