このレビューはネタバレを含みます
男と妻と愛人と美しい新入社員。悪意なき優しさと我儘で3人の女たちをかき乱す。
男は女からの「何故生きているのか?」という問いに言葉を濁す。
そして季節は流れ冬。かつて生きる意味を問うた女性と再会する。しかし、男は彼女の事はスッカリ忘れていて、初めて会った日と全く同じ世間話を繰り返す。そして彼女を思い出した途端、滔々と「生きている意味」を語り出す。別れ際、夏目漱石の「それから」を手渡す。
結局男は真実の愛を知るまではどうしようもないということか。「それから」の代助のように。
本作は会話ベースで進む男女の諸行無常。ヌーヴェルヴァーグや「黒い十人の女」を彷彿とさせる。多分これからも鑑賞し続ける作品。