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ジュピターズ・ムーンのmidimidiのレビュー・感想・評価

ジュピターズ・ムーン(2017年製作の映画)
3.9
難民やテロなど社会的課題を描きつつも、テーマは、誰かを愛するということ。愛の物語だ。
ラピュタであれば、浮遊する少女との出会いはボーイミーツガールだが、この映画ではボーイミーツおじさん、である。
人生崖っぷちのおじさん、浮遊能力を持つ少年と出会うことにより人生が思わぬ方向にフル回転する、の巻だ。
この映画の浮遊描写は、快感というよりは三半規管がやられる感じで、眩暈がする。
難民の少年が浮遊するのは、地上に居場所が無い故ではないか。
この世界に居場所を得ることができたなら、少年は浮遊する=天使である必要など無いだろう。
全てが投げ出されたような状態で幕を下ろす物語のラストは、何の解決も救済ももたらさないが、観客は確実に、ある出口に誘われる。
視覚的に凄く疲れたけど、観てよかった。
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