うと

ラブレスのうとのネタバレレビュー・内容・結末

ラブレス(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

記録するの忘れてました。時間が経っちゃったけど覚えてる範囲の感想。とても色々考えさせられるお話だった。

追い詰められたときに死にそうな気持ちになるのは大人でも子供でも同じだと思う。このお話では、アレクセイの両親もまた、死にそうに見えた。
でも、大人と子供の違いは、死にそうな状態に陥ったとき、死ぬかどうか、かなと思った。大人は知恵があるので自分や他人を騙しながら、ギリギリ生きていく。子供は死ぬ。
母親(名前忘れた)が遺体を前にしたとき「手放すつもりはなかった」と号泣したのは、本心だと思う。ただ、みんながみんな筋道だった考えを持ち続けて生きているわけではない。アレクセイに厳しくあたり、ムカつく子供だと思い、この子がいなければ私の人生はもっとマシだったと考えていたのも、まぎれもなく彼女の本心。女はそれでも母になってしまった以上、自分の人生を台無しにした子供だと明らかに思っていても、その存在は体の一部になってしまう。失って初めて自分はアレクセイの母だったと気づくわけ。これまでの人生でそれを自覚できなかったのもまた、彼女が追い詰められていたからに他ならない。
父親(忘れもしない、ボリス)はクズ。本当に腹立つ男だな。ウニャウニャした煮え切らない態度しかとれない弱々しい男のくせに、若い女の子を孕ませて、生まれた子供は弱い存在だから強くあたれるんでしょう?イライラする。彼は自分の行動が先に立って一生後悔してるけどとりあえず知らないふりしてなんとか辻褄合わせていくタイプの人間なんだと思います。どうしてそんな風になってしまったのか?可哀想だけど腹は立つ。
アレクセイが一人ひそかに泣いているシーンを最後にもう出てこないという作りが印象的だった。いなくなってからでは完全に手遅れなんだということが強調されていた。
行方不明者捜索ボランティア軍団、光属性の人々すぎて感動した。こんな善人の群れが存在している一方でうまく生きていけなくなった家族もいる。社会はこういう意味でも不平等なものですね。
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