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ラブレスのaymmのレビュー・感想・評価

ラブレス(2017年製作の映画)
4.1
大人たちが、人として一番最悪な毒を吐き続けている。

ドアに隠れて、声を押し殺して泣く少年。
肉体的に虐待されているのを見るのと同じくらい辛すぎる姿。
父親にも母親にも、カケラも大事にされていない彼の苦しみが描かれるのは前半の数分。だけどそれで十分。
それ以降の大人たちの言動から全て分かるから。
冷たく暗い、大人の欲望だけの空気が子どもを抹殺する。

前作、「裁かれるは善人のみ」同様救いの無いストーリー。ゾッとすらできない絶望感、人間の黒い部分を描き出すのが本当に上手い。
意味深なカメラワークやエゲツなさは個人的に好きですが、精神的に元気な時に観ることをお勧めします。
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