冒頭の無機質なピアノの音とロシアの寂しげな冬の風景から一気に引き込まれ、最後まで没入して見てしまいました。
離婚を控えた両親は、どちらも一人息子をいらなかった。そして息子がある日突然姿を消し、そのことにすら数日間も気づかない両親。
ラブレスというタイトル通り、そこにあるのは歪んだ自己愛のみで、二人にとってはただ欲を満たし逃避するための手段としてだけ愛という言葉を謳ったりします。
自分可愛さと他者に対しての徹底的な無関心。最後の最後まで心に重くのしかかるストーリーです。
物言わぬ広大な自然、森の中に佇む廃墟、映像の一つひとつも本当に美しい。
かなり好みの作品だったので、この監督の他の映画も観てみようと思いました。