みずきち

女王陛下のお気に入りのみずきちのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
3.0
醜悪なディストピア。滑稽で孤独でグロテスクな人間の内面がこれでもかと強調される。のしあがった先にあるのは無。わがままを通した先にあるのは無。思いを通した先にあるのも無。とても暗い映画だが、もうそれでいいじゃんと思いそうなほど終末感のある退廃的ムードはもはやおしゃれ。ギリシャ人だからこういう空気を作れるの?

ベラスケスの宮廷絵画ですかと思うほど画面が美しくフィルムっぽい映り。バロック音楽も雰囲気バッチリで最初の30秒で確実に引き込まれる。
冷めたのは、魚眼レンズの多様とラストの虚無シーンの雑な終わり方。
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