カポERROR

女王陛下のお気に入りのカポERRORのネタバレレビュー・内容・結末

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

☠検証☠
【人間は7時間33分ノンストップで、ヨルゴス・ランティモスの精神攻撃を受け続けられるのか?/その④『女王陛下のお気に入り』】

忙しさにかまけてUPが遅くなってしまった。
ヨルゴス・ランティモスの拷問、大トリを飾る四本目は本作『女王陛下のお気に入り』である。
前回までは割愛してきたあらすじだが、今回ばかりは満を持して簡潔に一文で記すことにしよう。
以下があらすじである。

<あらすじ>
 アン女王をアンアン言わせる物語。
                以上

あらすじでお察しの通り、今回も前回に引き続きR18表現オンパレードのため、NGの方はそっ閉じして頂きたい。

本作、色々な意味で圧倒された。
連続視聴してきたヨルゴス・ランティモス監督作品群の中では、まさに集大成とも言える作品だ。
その世界観は、絢爛・背徳・淫靡・野心・嫉妬・欺瞞・謀叛・栄華・凋落・絶望を、混沌の坩堝(るつぼ)にぶちまけて、三日三晩煮込んでアン女王の口に無理やり流し込み嚥下させ、そんでもってアン女王が吐き出した吐瀉物に原色のアクリルカラーを大量に混ぜ込んでキャンパスに塗りたくったような…まぁとにかく何ともヤバい逸品である。
以下、私的に特筆すべきポイントを挙げていきたい。


①兎にも角にもオリヴィア・コールマン!

今回、オリヴィア・コールマン演じるアン女王を見た瞬間、還暦以上の女性に反応する我が熟女センサーがビンビンに反応した。
女王でありながら…この何とも疲れた団地妻感。
しかもその弛んだ肢体を惜しげも無く披露するサービス精神。
まさにトレビアンアン女王!アン₍₍◡( ╹◡╹ )◡₎₎ アン
昨年公開の『エンパイア・オブ・ライト』でも私を虜にしたオリヴィア。
これは要チェックだ。
私は遅ればせながら彼女のプロフィールをwikiで確認した。
何なに…生年月日1974年1月30日生(50歳)…

…は?
本作製作の2017年当時…44歳…

…は?

…オリヴィア・コールマン…



…歳下じゃねーか(꒪0꒪ノ)ノ彡
いくら何でも見た目が熟し過ぎぃー!!!
還暦以上で反応する我が熟女センサーが、16歳も誤検出するとか…その顔特殊メイクかっ(⊙۝⊙)イシダユリコノ4サイトシシタダト?
何にせよ、熟女フリークの私にとって彼女のご尊顔は御褒美以外の何物でもない。
そんな彼女が、全編を通じて、泣くゎ喚くゎ貪るゎ悶えるゎ…etc.
その様はまるで全人類の負の感情を元気玉の如く寄せ集め、あろう事かそれを全部「えへ、食べちゃった♡」かのように自身に取り込んで、それを凄まじい熱量に変換して演技に乗せて放出しました的な…そんな人外の演技だった。
そこには恥じらいも誇りも、いや、もはや人間の尊厳すらも存在しない。
魂の具現化。
神の所業。
流石は第75回ヴェネチア国際映画祭女優賞受賞!
そう、私が見たのは老け顔の女神に違いない。
[結論]老け顔の女神とポルノ女優は紙一重。

②史実に基づく実話ベースの物語

本作、これまで観てきたヨルゴス作品とは異なり、英国宮廷の史実を基にした実話ベースの物語だという点が、恐ろしさを助長させている。
また、ヨルゴス節の”現実と虚構の綯い交ぜ感”が、本作をより独創的な歴史作品へと昇華したと言えよう。
それは、奇しくも昨年公開された北野武監督の『首』にも通じる独特な個性である。
果たして、ヨルゴス・ランティモスの才能はどこまで広がりを見せるのだろう。
それはそうと、誰か、北野武とヨルゴス・ランティモスの対談企画してくれないだろうか?
金払ってでも見たいのだが…。


③エマ・ストーンという原石

世に言う『夜越す組』(誰も言っていない)にエマ・ストーンという新たな才能が加わり、ヨルゴス作品は間違いなく化学反応を起こすに至った。
それは予想だにしなかった成果と言えよう。
とは言え、エマ・ストーンは私に言わせればまだまだ実力途上である。
何故なら、彼女が演じるアビゲイルと、ジョー・アルウィン演じるサミュエル・マシャムの初夜の場面。
アビゲイルがサミュエルの一物をむんずと握って行う手淫…その力強さ、そのスピード共に…『聖なる鹿殺し』のニコール・キッドマンの足元にも及ばないからだ。
手コ〇の修行が足りん!
『哀れなるものたち』で彼女が進化を遂げられたかどうか…期待したい。
(何の進化だ?)


本作『女王陛下のお気に入り』は、他のヨルゴス作品と比較すると、奇抜な設定という点では物足りないものの、絢爛豪華な装飾のクオリティーや俳優陣の神がかった演技、そして数多の新機軸への挑戦という点において抜きん出ていた。
それでいて、根底にある”人間の闇深い心理・どす黒い内面を描く”というポリシーだけは決して揺るぎない。
まさにヨルゴス・ランティモスという人間を象徴する作品の集大成と言えよう。
ちなみに、集大成と評する理由は、他にもある。
各作品で描かれてきた手マ〇、舐めマ〇、手コ〇といった匠の技の数々…この荒業の数々においても『女王陛下のお気に入り』はオンパレード、文句なしで集大成と言える。
こうなると、『哀れなるものたち』での新技に更なる期待が高まるばかりだ。
それならば、鑑賞後のレビューはアカデミックにこんなタイトルにしてみよう…

  『せいぎのみかた/カポERROR』

ちなみに、漢字で書くと”性技の見方”となる。

✤✤✤

さて、ヨルゴス・ランティモス監督作品一気見7時間33分チャレンジを終えて、我がHPは1/100となった。
風前の灯火とは言え…生きている…生きているぞ。
拷問などと失礼な物言いをしてしまい、ヨルゴス・ランティモス監督には心からお詫びを申し上げたい。
私は未だかつて、1日に4本の長編映画を連続視聴し、これ程満ち足りた気分になったことはない。
ヨルゴス作品自体は決してポジティブなテーマではなく、人間の闇深い内面もどぎつく描かれているのだが、不思議と後味の悪さが尾を引かないのである。
それどころか、その類まれなる才能に感心させられっぱなしであった。
かなり好き嫌いが分かれる作風ではあるが、私は彼の才能が好きな派だ。
当然、『哀れなるものたち』も来週には観てきたいと思う。
感想レビュー『せいぎのみかた/カポERROR』をお楽しみにw
皆さんも、騙されたと思ってヨルゴス・ランティモス作品連続視聴チャレンジに是非挑戦して頂きたい。
感想レビューを楽しみにしている。
『女王陛下のお気に入り』は、現在Disneyplus、Netflixで見放題配信中。
Amazonprime、DMM TV、RakutenTV他ではレンタル配信中。
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