設定や序盤を観た段階では、絢爛さやコメディタッチな軽めのシーンが目立ったため今回ヨルゴスランティモス節を抑え気味にしたのか、と思ったが、
音楽演出やストーリーの整頓された不気味さなどが随所に観られてストーリーが進む毎、監督らしさを見せつけられた。
監督が得意とする人間の 嫌な部分 の心理描写が特に今回は女性のそれに絞られていて、手に取るように分かるだけに猟奇さはそこまで感じられなかった。
ただ相手の心理をとり、いかに人の上に立てるかのみを考える人間の愚かさ、狡猾さや戸惑い、エゴ、そのような人間のゆく先の描写やストーリー仕立てはやはりさすがだと思った。