文句があるなら、ベルサイユへいらっしゃい
ベルばらはフランス王室でしたが、こちらは敵国イングランド。
ベルばらも、女の権力争いに見応えあったけど、こちらもなかなか面白い!
ベルばらが描いた、王妃を利用するポリニャック伯夫人VS王妃の真の友オスカルを彷彿させます。
主要人物はアン女王と幼馴染みのサラ、その二人の仲に入り込むアビゲイルの3人。
アビゲイルは貴族から没落した娘で、地獄を見た女。学もあり、女王の病気に効く薬草を差し出した事で女王の側近サラの目に留まり、下働きから侍女に昇格。
そこからは光の早さで権力をものにしていきます。
女性ならアビゲイルのしたたかさにすぐ気づくのに、サラは見抜けず、疑いを持った時には既に手遅れ。
そこからのアビゲイルの快進撃があっという間すぎて、ある意味お見事でした。
印象的だったのは、最後のアビゲイルのセリフなし表情だけのシーン。
ここからは私の解釈です。
(ネタバレあり)
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アン女王はサラが警告したアビゲイルの本性に気づいていたと思います。
女王は自分を嘘でも誉めてくれて自尊心が守られるアビゲイルを選んだ。ところが、実はアビゲイルがとんでもない策士で自分を巧みに操って利益を得ていることに気づいてしまう。それでもなお、アビゲイルを近くに置いたのは自分の選択が間違っていたと認めたくないから。ゆえに操られ続けることを選んだ。サラにも操られていたわけだし何も変わらない。誰もが同じ。みんな自分を愛しちゃいない。
でも私は女王。アビゲイル、ずっと私のおもちゃでいなさい。
アン女王目線のラストはそんなシーンに見えました。
一方でアビゲイル目線は、
上流貴族の生活を手に入れても、結局は誰かのおもちゃ。返り咲いて得たものは所詮「幸せ」なんかじゃない。
そんな風に思ったんじゃないかなと感じたラストシーンでした。
解釈は十人十色と思いますが、これだけは言える。女ってこえー。