フクロウ

ザ・スクエア 思いやりの聖域のフクロウのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

本物の社会風刺映画
よくある社会問題や道徳的にもやっとする場面に焦点を置いて問題提起するだけの映画とは一線を画する
格差という問題に物乞いや中流階級の見栄などの分かりやすいモチーフで切り込みつつ、薄っぺらい問題提起に終わらず監督なりの答えまで描ききっている

個人的には、我々が「他者の目」を意識していると言いたげなシーンが多いと感じた。セックスの話題を人前で話す女を訝しんだり、男の子に抗議されたときに娘を遠ざけたり。モンキーマンも何かした後いちいち周りを見ていたし。
だからこそ、最後の謝罪に行くシーンで娘の同伴を許したことで心変わりが際立っていた。

人間観察から映画作りを始めると言うだけあって、社会に生きる人間のディテールが凄い。確かにこんな人いるとかこれは起こり得るって納得できる。