inazuma

ザ・スクエア 思いやりの聖域のinazumaのレビュー・感想・評価

4.5
皮肉たっぷりコメディ。
結構引き込まれてしまって、2時間半が全然長く感じませんでした。
まずタイトルからして、どんな話なんだと好奇心湧きまくりですよ。「思いやりの聖域?何?」って思って見てたら、"思いやり"なんて微塵も感じないシーンが連続します笑
先日観た『聖なる鹿殺し』もそうですが、この"何が起こるか分からない"ワクワク感がたまらんです。笑いもあり、ドラマもあり、ちょっぴりホラーもあり…

パーティー会場で、パフォーマーとしてやって来たはずの人間が大暴れするシーンは圧巻でした。可笑しさと気まずさが一気に堪能できます。
その気まずさからか、会場の客たちが全員死人のように黙りこくって動かなくなるのは印象的でした。"自分は関わりたくない"という思いが充満しているのが手に取るように分かりました。自分もこの客たちと同じ態度を取るんだろうなと複雑な気持ちになりました。
そんな客たちにちょっかいをかけまくるパフォーマー!笑
本作のテーマでもある"集団的無関心"に一石を投じてるようにも見えて、凄く良いシーンになってると思います。その後の展開もえげつなかったなー。本当に名シーン。

美術館の展示品も楽しかったです。
ユーモアのかたまり。

ある記者会見シーンで、ある"音"がずっと鳴っているんですが、あれは何だったのか…
いろんな謎も残って楽しいです。

リューベン・オストルンド!
またどえらい映画監督を知ってしまいました。今後も期待!
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