tipsy806

ザ・スクエア 思いやりの聖域のtipsy806のレビュー・感想・評価

3.3
感想をどう書くべきなのか。面白いと引きこまれることは必ずしもセットではなく、引き込まれたけど後味が悪い作品が存在します。本作もその一つ。
シーンごとに何かが起きそうな予感をはらみ、それは綿密に計算されているかのような居心地の悪さ。肝心なところはふせられ解釈は私達に託されます。
モンキーマンのシーンはなんともいえない嫌な気持ちに。個人と集団、本能と理性、善か悪か・・・疑問点を詰め込みあなたならどうするのかと終始問われ続けられるんです。
副題が「思いやりの聖域」というところもポイントにおいてみるべきで、それは非常に意味が深い。
私は感情をあぶりだされて未だ引きずったまま。
「万引き家族」も取ったパルムドール賞の本作品。カンヌ映画祭の選考傾向を調べたら、「生々しい現実を描く社会的な意識の高い作品」ということが言われているそうで、少しこの賞が求めるモノがわかってきたような気もしている。
tipsy806

tipsy806