チリ、サンティアゴ。トランスジェンダーでナイトクラブのシンガーのマリーナ(ダニエラ・ヴェガ)は、歳の離れたボーイフレンドのオルランド(フランシスコ・レジェス)と暮らしている。
マリーナの誕生日を祝った夜、自宅に戻ると突然オルランドの意識が薄れ、亡くなったことで、彼女は思いもかけないトラブルに巻き込まれる。
最愛の人を失った悲しみの最中に、オルランドの遺体から痣があったりアルコールやマリファナを摂取したことが警察に疑われたり、オルランドの息子からアパートの追い出しを食らったりお葬式に出席することも許されないなど不躾で容赦のない差別や偏見が浴びせられるが、それでも女性として生きていく権利を胸に、自分らしさを守るための闘いに挑むことを決める。
マリーナの目線で、警察や市民からいわれのない差別や不当な扱いをされていることがリアルに描かれているので、マリーナの怒りに共感出来る。
マイノリティに対する偏見や憎悪が、ヘイトクライムを生む現実を知るにはもってこいの映画。