お互いに敬語使って話す夫婦ってのが
創作物にはよく出てくるけど
どういう憧れなんだろ。
お互いを尊重しあってる風の空気を感じられるからかな。
でも距離はあるんだよな、敬語って。
他人と距離を保っていたいけど尊重もされたい。
という気持ちが敬語夫婦を生み出してんのかな。
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ヤフー知恵袋に書かれた
「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。どういうことなのでしょうか?」
という質問からいろいろ派生してきて、
ついに映画化。
見てしまった。。
映画になったから。。
映画になると僕が見てしまう可能性が高まる。。
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死んだふりする妻(榮倉奈々)に
「なんでこんなことするの?真面目に話してんの!言いたいことあるなら言ってよ!」
とヤスケンさんが怒鳴っても
榮倉奈々はその理由は言わずにはぐらかして、
カットも切り替わっちゃう。
ずっとこれを繰り返すだけの映画。サッと理由を言えば映画は終わるからただ言わないだけ。
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友人の妻が
「ワニはバカだと思われてる。でも脳は大きくて犬や猫と同程度の知能なのよ!」と。
で旦那が妻をバカにしてくるので
「妻をバカだと思ってるんでしょ!ワニと同じみたいに!」とキレる。
やっとこさ面白くなってきたと思ったら
そこでも榮倉奈々が
「そんなにがんばらなくていいんですよ」
と妻の方をはぐらかして終わり。
(ちなみ脳の大きさと知能の高さに関係ないと言われている)
この後も「死」という極限のきっかけを得て
やっとやっとやっと映画のタイトルの答えを言ってくれる。
なんで妻が毎日必ず死んだふりをするのかを台詞で説明する。ここまで来て単に台詞で。
サッサと言ってくれればもっと早く映画終わったのに。
ただ「言わない」だけで115分引っ張られても。。
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しかし、そのあともやはり大事なことを言う手前で
風が吹いて観客には言葉が聞こえない。
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ずっと描かれてるのは
夫婦の意思疎通の不能さ。
ずっとコレ。
ずっとコレ。
まともな会話をずっとしない。
相手の質問に答えない。
ずっとコレ。
気持ち悪い。
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エッセイマンガ版をチラ見しましたが、
かわいらしいシンプルなイラストでしたので
この空気感が成立していると思いました。
ただ、
映画では生身の人間が演じるので
この作品の良さを表現するのは無理かとてもとても難しいことだったんだと思います。