m

ロマンティックじゃない?のmのレビュー・感想・評価

ロマンティックじゃない?(2019年製作の映画)
4.7
ホラー映画の世界の中に入り込んでドタバタコメディを繰り広げる果てに滅法エモいドラマが待っている隠れ傑作「ファイナル・ガールズ」の監督の最新作、今回はロマコメ映画(PG13指定)の世界に入り込んでのドタバタです。

伏線をしっかり回収してロマコメ映画の『お約束』をいじって笑いにすると同時に、リスペクトと愛もちゃんとあるのが良い。そしてロマコメの定番のクライマックスで主人公が気付く事・・これが素敵だった。レベル・ウィルソンも出てる「ワタシが私を見つけるまで」を思い出す、現代的な自己肯定。

いつもは暴走コメディ演技でゲスい笑いを狙っていくレベル・ウィルソンとアダム・ディヴァインが、今回はコメディ演技だけでなくしっとりと真面目なロマコメ演技も披露しているのが愉しい。
「バルフィ!」での自閉症の少女の演技が素晴らしかったプリヤンカ・チョープラーが持ち前の華と魅力を大爆発させている(もちろん歌と踊りもあります)。
メインキャストの中では唯一リアム・ヘムズワースが役者としての致命的な弱さを露呈していて、この役が兄貴のクリヘムとかクリス・パインとかだったら最高だったんだろうなと思いつつも彼のそのショボさがそれはそれで憎めないかなと大団円での彼を見ていて自分を納得させた。

撮影・照明もしっかり気合の入ったロマコメ仕様で、時折やたらと凄いカメラワークが炸裂する。


ロマコメ映画が観客に与えるポジティブなパワーを信じている作り手の映画だった。この監督、やっぱり良い。
m

m