穂苅太郎

アンダードッグ 二人の男の穂苅太郎のレビュー・感想・評価

アンダードッグ 二人の男(2016年製作の映画)
2.3
マ・ドンソクの無駄遣い。
新人の監督をフックアップして、邦画のように自主映画などから始めるということではなく、キャスティングも予算もかなり潤沢に注ぎ込んで、チャンスを与え門戸を広げる韓国映画の手法は、現在の例えばマーベルなどにもみられる大変理想的な方法でもあるのだが、当然本作のように失敗作も出てきてしまうわけだ。

撮影脚本キャスティングは韓国映画クオリティをしっかり保っているとはいえ肝心の演出がどうにも穴が目立って、それ自体がノイズになって楽しめなかった。

例えば主人公チームが街中を歩くシーンが冒頭にあるが格下の方が中央で前を歩いている。主人公のポジショニングをこのシーンで表すべきなのだができていない。その後もシーケンスとシーケンスのバランスが非常に悪いため各キャラクターがどんどん薄まっていく。

これも冒頭から強靭な男のアイコン化しているマ・ドンソクがひ弱な青二才に簡単にコードで首を絞められて立てなくなってしまった。じゃあ弱いキャラ付けなのかなと思うと別のシーンでは無双ぶりも発揮したりしている。

ツッコミ所が点在するのではなく全てにおいてこの調子なので思わず下手くそというツッコミをしてしまうのだ。

歴代韓国映画の超A級作品はもちろんA級作品ぐらいまでは網羅してしまったので、今後はB級作品の中で光るものを見つけていくしかない。困ったものだ。
穂苅太郎

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