TaiRa

テリー・ギリアムのドン・キホーテのTaiRaのレビュー・感想・評価

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『ロスト・イン・ラ・マンチャ』観た上だと完成しただけで良かったねぇってなる。

2000年当時に作ろうとした『ドン・キホーテを殺した男』とは話の内容も変わっていて、今となっては元の話がどんなだったかも気になる。タイムスリップの話だったらしいけど。新しい話は映画制作がもたらす悲劇を見つめたもので、ある意味呪いの話。この映画を取り巻く環境がフィードバックしたのは事実だろうね。ギリアムは夢や妄想を好意的に描く人だけど(『未来世紀ブラジル』は例外)、この作品に関しては功罪描いてる。『ドン・キホーテ』という題材をテリー・ギリアムが翻案したのは既に『フィッシャー・キング』があるし、正直クオリティ云々で言えばあっちの方が遥かに良い。今回は完成の経緯が複雑でその期待値も上がっているからか割と凡作に感じる。ジョナサン・プライスやアダム・ドライバーは良いけど。あと女優はいつも綺麗に可愛く撮るよね。ジョアナ・リベイロとか知らない女優だったけどとても可愛い。オルガ・キュリレンコもほんと綺麗だし。夢が狂気をもたらすのは悲劇でもあるけど、それも含めて否定出来ないギリアムの正直な考えが最後には出ていた。あのラストとドン・キホーテを演じる予定だった故人の役者たちの名が並ぶクレジットに妙に感動してしまった。
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