ペイン

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結のペインのレビュー・感想・評価

3.8
うーん、楽しいがなんか惜しい。

最近の『クルエラ』とかにも通ずるんだけれど、大手会社による“悪役集めてみました!”“最恐のヴィラン誕生!”みたいなのがどうも個人的に胡散臭さを感じてノれないことが多い。

たしかに物理的にはゴア描写も振りきっているし、100億かけたトロマ映画と言われる所以もわからなくはない楽しさもあるのだけれど…ただ『悪魔の毒々モンスター』をはじめとするトロマ映画のような、荒削りなデモテープをたまたま見つけて聴いてしまったようなうすらヤバさはなく、また本作に大きな影響を与えているロバート・アルドリッチ監督『特攻大作戦』をはじめとする60~70年代の骨太なアメリカ映画のような生々しさ(物理的ではない)は感じられなくて、物足りなさの方が残る。

それだったら本作に比べたらだいぶ大人しいとも評されるジェームズ・ガンの前作の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のように、変に悪党を強調しない、余計なことはしない優等生的な作りに個人的には親近感を抱く。だし今のところのジェームズ・ガンベストは『スーパー!』に変わりなし。

冒頭、ハーレイ・クインが“大きい方してた!お待たせ~”みたいに登場するシーンではワクワクしたが、そこがピーク。やっぱり『スターシップ・トゥルーパーズ』や『グレムリン2』みたいな大作は類稀なのだぁ。
ペイン

ペイン