シネマラブ

世界で一番ゴッホを描いた男のシネマラブのレビュー・感想・評価

5.0
先日のゴッホ展に続きイスラエルからの印象派展ですっかりゴッホ、印象派に魅入られ本作も観ました。
複製画師について考える機会は今までなかったですが、奥深い世界にすっかりはまりました。
貧さゆえに中学すら出れず実質小卒ながらも元来の絵の才能を活かし、心酔する画家、ゴッホの作品をひたすら模写する彼。
そのあまりのピュアな姿に涙が出ました。
私も含むサラリーマンっていかに大したことがないかを痛感しもした。
一番尊敬するのって芸術家なんですが、一度も本物を見たことがなく、一心不乱にアトリエで描き続ける彼らとお金を少し出せば美術展を見に行ける日本の中流階級。我々はどれだけ純粋な気持ちで絵画に対峙しているんだろうか。

たった一回の原画を見る為のオランダへの旅で絵画に対する価値観が翻され、自身の作品を描く決意をするダーフェン。

彼はこれからどんな作品を生み出してくれるんだろうか。
彼の仲間の名言と、最後ダーフェンの職人と芸術家は違うのかという問いかけが刺さった。

『魂は人を動かし続けるが、物質は人の欲望を一瞬満たすだけ
あんたが絵を描き続けるのも
魂に突き動かされてのことだ』
シネマラブ

シネマラブ