さー

世界で一番ゴッホを描いた男のさーのレビュー・感想・評価

3.8
年を重ねるごとに、ドキュメンタリー映画を楽しめるようになる現象(あるあるでしょうか?)

知らない世界を知るおもしろさ、そこで生きる人々が持つ悩みや苦しみを感じること、そして最後は自分自身の生活や人生にも通じる学びを得る。ドキュメンタリーの良さが今作にもぎゅっと詰まっていて、特に芸術分野に興味がある方に是非見てほしい作品。

複製画制作の舞台裏は知らないことばかりで、「環境劣悪すぎる!」「もう本物やん!」「ゴッホよりゴッホちゃうんか」などとワイワイ騒ぎながら(ひとりで)前半を見てたんだけど、後半は…沈黙。問題山積。個人の気持ちの持ちようだけでは解決できんよ、、能力の搾取は絶対にダメだ。

社会の不条理を突く作品でもあるけど、同時に、自分の存在意義、生きる意味を見出すのは自分だということも伝える作品。決して押し付けがましくなく、主人公に寄り添うカメラは、"芸術家"の終わりなき旅路に、一筋の光を映し出す。
さー

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