べーやん

ドレッサーのべーやんのレビュー・感想・評価

ドレッサー(2015年製作の映画)
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イアン・マッケラン×アンソニー・ホプキンス。
老舗の料理屋、若しくは旅館を訪れたときの、包み込まれる安心感。それと同じ様な気分にさせてくれて、どっぷりと彼らの演技に浸ることができる作品。
しかし!!!シーンの変化が少なく、殆ど音楽もなく、リア王を演じきるまでの舞台裏を淡々と描く。台詞量も多いため、舞台演劇のよう。そのため、退屈に思えてしまうかも。どこかしら悲哀が漂う。
それでも流石、熟練俳優。
終盤の2人の熱演と、幕引きには「おぉ…」と声が漏れるほど。
期待と裏腹に裏切られたノーマン。いやぁ…凄い心がザワザワしたシーンでした。
もともとの激しい性格のせいなのか、“病気”のせいなのか定かではありませんが、喜怒哀楽を一瞬に変化させたホプキンス。
皺を伝って流れていく一筋の涙。
一定の静かさのある物語だったのに、なんなんでしょう、この余韻。