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希望のかなたのogierのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
3.7
戦争から逃れる為にまた国境を越えなければいけない
暴力と嘘の繰り返し、巨大な歯車の一つでしかない警察という存在の無意味さ正義の欠如
法の下に自由は存在しなく偽物の身分証明に命を懸ける
オルドバン政権の狂気的な独裁国家によるクルド人の迫害、シリアの絶望的な戦争、不法入国か死ぬかを迫られた極限の選択を迫られる彼らの人生
莫大な金をギャンブルにかけるブルジョワジーの遊びの対比
スマグラーへの疑いと法律という矛盾した正義は今日もどこかで再び犠牲を生む
こんなに悲しい世界で人生で何故私たちは目を瞑っていられるのだろうか
西洋文化の汚点に堂々と指を刺してかつ残酷な悲劇をここまで優しく暖かく包み込んでくれるこの映画の愛おしさよ
悲劇を描くより喜劇を作る方が断然難しいとカウリスマキの言葉がゆっくりと浸透してゆく様な
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