ogierさんの映画レビュー・感想・評価

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the Future ザ・フューチャー(2011年製作の映画)

2.4

Me and〜の様なセンスで駆け抜けてしまう様なDIY感が削ぎ落とされた為ミランダの脳内宇宙がより鮮明に表現されてるだけあってスーザンピットのアスパラガスの様な女性的な欲望と美と恐怖が混沌と繰り返され>>続きを読む

君とボクの虹色の世界(2005年製作の映画)

3.3

埋められないと分かっていながら孤独の穴の修復法を探し続ける。
人生には意味を付けなければやっていけないのだから。
繰り返される日常と少しの変化、奇妙な偶然は燃え尽きる前に通り過ぎた方が良いのはきっと解
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冬の旅(1985年製作の映画)

3.6

立ち止まるのを恐れるのはきっと再び魔法が消えてしまうのが怖いから
凍てつく荒野に群れからはぐれた一匹のホモ・サピエンス
期待されることを避け深かい人間関係を煙たがり、仲間すらも作らず一瞬の快楽だけを求
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シークレット・サンシャイン(2007年製作の映画)

2.5

Aka Lee Chang-Dong のアンチクライスト
Everything’s lie! 爆音のゲリラ、中途半端なリストカット、始まらない不倫、そして切り離されないプラトニックラヴ
捕まった殺人鬼
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スモーク(1995年製作の映画)

3.4

何で続けてクリスマス映画を見たのか解らないがコスタの”血”の後に見たら今作の解りやすさに脳の毛細血管が溶けた
だからスコアとかもう解らなくてこまる。
分かりやすいのに意味を持たずエゴさえも忘れさせて気
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(1989年製作の映画)

3.3

冷たい森、夜霧の中に帰る男女
色の無い恐怖、温度、質感が鉄の味を思い出させる
水面に映った架空世界、あてのない流離はいつから始まったのだろう
きっと帰るとこなどどこにもないと知ったあのクリスマスの夜か
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パリ、18区、夜。(1994年製作の映画)

2.6

夜に飲まれる異端者達の姿は我々の心に宿したアイデンティティの具現化
街のネオンは眠らない孤独な人たちは群れからはぐれても歩き続ける
吸い寄せられるように何故人々はパリに集うのか
言葉が意味をなくして空
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イーグル vs シャーク(2007年製作の映画)

2.8

くたびれた世界の片隅
りんごの木から二つ木の実が落っこちた
例え中が腐っていたとしてもその美を見つけてくれる人が現れた時、この世の全てが変わりはじめる
口を曲げる癖、大きすぎる目、時代遅れのベルボトム
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石の微笑(2004年製作の映画)

2.7

リスクを冒さなければ美の本質を見抜くことは出来ない
情報は或いは他の何よりも危険で私達が最も強欲に求めるパンドラの箱
彼女と瞳があった時から日常の狂気が明らかになり始める
元々歪んでいた日々の輪郭が浮
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突然炎のごとく(1961年製作の映画)

2.8

完璧などはないと解ったいつの日からか愛そのものに自己愛を重ねて生き抜くしかないと誓った
プラトニックラヴの深さは自己愛の強さに比例すると思うから
あるホモ・サピエンスのリーレーションシップアナーキーを
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天才マックスの世界(1998年製作の映画)

4.2

自伝的憂鬱と哀しみをポップでコメディカルに仕上げた彼の出世作
It’s good but lets’s hope it’s got a happy ending.
涙目を浮かべてmaxのショーを見守る
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ライフ・アクアティック(2004年製作の映画)

3.3

前作でアーティストとしてのキャリアを絶対にした彼自身の孤独を写した作品。
この頃から圧倒的な舞台セット美術が際立ってとても手の届かないところまで行ってしまった様な寂しさが残される。
それにしても皆んな
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ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

4.1

やはりウェスの作品も初期が好み。
最近の作り込まれた完璧の或いは確立された芸風は圧倒的で何も言えないのだが初期衝動のエネルギーや磨かれすぎる前の原石の美しさは初期作品にこそ宿っている。
例えばこのなん
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グロリアの憂鬱/セックスとドラッグと殺人(1984年製作の映画)

2.6

ベランダから見えた次男の姿はまるで天使の様で。
救い用のない毎日、一瞬の快楽を求めて物事の終わりに寂しさだけが彼女を包み込む。
繰り返される憂鬱な毎日、愛を感じることができずにいつの日か自分すらも愛せ
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ぼくとアールと彼女のさよなら(2015年製作の映画)

3.2

出来損ないの手作りの映画も、完璧じゃない笑顔も、遅すぎる決断も、なるべく後悔しないように。
繊細で儚い微かな笑顔も誰かを勇気付ける何よりもの宝物になりうるから。
個人的な暇つぶしは何よりも美しい芸術で
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

2.7

いつの間にか訪れていた現実は子供の頃に思い描いていた憧れとかけ離れた空っぽな毎日。
夢も希望も風化して目の前にある日常を機械的に義務的におこなう彼女の目は何処か灰色で。
しかし突然訪れた非現実はもう一
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セクシリア(1982年製作の映画)

2.5

もはやマイノリティであるはずの個性主義者達しか出てこないので文化の常識が通用しない混沌の世界
あるいは私たちが彼らの本性を隠さずに見ることが許されているので社会的秩序が成立してない様に見えるだけなのだ
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リアリズムの宿(2003年製作の映画)

3.7

上手く廻らない頭を必死に使うのは自分自身のためでしかなくてそこに偶然居合わせた他人を使う事によって成り立つ世界
個人主義の思想は孤独をも忘れさせ嘲りとプライドをその美学を持って見せつけられる
雪が積も
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ダメジン(2006年製作の映画)

2.6

人類学からみるキャラクタライズの本質。そのアルゴリズムの中に必要不可欠な働かざる蟻。およそ三匹の生命体の周りに集う奇想天外な仲間たちと孤高のハードボイルド。
トルエンの幻覚とインドへの憧れ、資本主義の
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憂鬱な楽園(1996年製作の映画)

3.3

熱風に揺られるパームプランテーション
チャイナドレスの彼女の甲高い叫びは空気を鋭く破りいつしかの恋の美しい記憶を腐らせる。なることのない銃声はそれでもしっかりと重厚感に存在を確かめられて壊れかけのバイ
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私の20世紀(1989年製作の映画)

4.2

静かな聖夜、雪の積もるブダペスト、双子の少女は白い息を吐き頬と鼻先を赤ながら生きるのに必死だった
時代の変わり目、夢の二十世紀へ
エジソンが電気を発明するとたちまち夢は現実となり魔法は科学へと変貌を遂
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ピクニック(1936年製作の映画)

2.5

西日のさしてたあの頃、恋に夢を馳せる若い男女は決められたレールの上の中でもがく事すら叶わずに或いは初めから終わりの見える事情をそれでも追うのだった
森での愛の営みはレイプに見えてしまうのは否めない
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希望のかなた(2017年製作の映画)

3.7

戦争から逃れる為にまた国境を越えなければいけない
暴力と嘘の繰り返し、巨大な歯車の一つでしかない警察という存在の無意味さ正義の欠如
法の下に自由は存在しなく偽物の身分証明に命を懸ける
オルドバン政権の
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ペピ、ルシ、ボンとその他大勢の娘たち(1980年製作の映画)

3.6

混沌があって初めて星が生まれる
秩序の整った世界ではあまりにも人工的で無機質で悲しいから
全てを考え直して固定観念を捨てて処女の様な初めての目をもって世界を眺めることが出来たらどれだけ美しいだろう
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イゴールの約束(1996年製作の映画)

3.8

モラルを無視して凍てついた北の空気を切り裂く様に走り抜ける少年
尊敬する父親は彼の唯一の先生であり師であった
国境という不毛な社会のシステムに悩まされる移民、その中に蔓延る不法の現実、無意識の階級制度
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パラダイス 愛(2012年製作の映画)

3.4

愛にうえた獣の見窄らしさよ
人間がいかに愚かしい動物かを見せてくれるヒューマニズムのアンチテーゼであり女性売春のアンチテーゼでもある傑作
誕生日の孤独、胸を締め付けられる様な狂気あるいはモザイクなしの
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テルマ(2017年製作の映画)

3.2

親離れをした小動物
初めてを経験する中、大衆の交差する概念の洪水に溺れかける
冷たい風を鳥達は風を切り無意識の自殺を遂げる
狂っているのは私か私以外か
蛇に身を託しフロイト的精神分裂の間で覚醒を思い出
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クラークス(1994年製作の映画)

2.8

北米の冷たい空気がゆっくりとバックビートに乗る
下品な青臭いあの時期にだけ映し出せるインディペンデント臭がクラックの様に依存する
アジトはバイト先のコンビニで不器用な不良と潰れかけのジャンキーと共に冴
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自由が丘で(2014年製作の映画)

2.8

作り物の世界に迷い込んだ様な気分。
いつもの会話いつもの空気、掴みかけた哲学も次の日には矛盾へと導き意識的な思想は無意識を超えることなくまた忘れさられてしまう。
流浪人の景色、差別スレスレの固定観念を
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ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

3.4

擦り切れそうな孤独の中、導かれる様に人は出会い交わり空白を有限の物だと信じ盲目の時間を想像で埋め合わせる。
人生は演劇だ。観客がいなくなる頃私たちの生きる意味とは
小さくだけどしっかりとこぼしたカラッ
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