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ドグラ・マグラのkapiのレビュー・感想・評価

ドグラ・マグラ(1988年製作の映画)
3.4
アートシアターギルド(ATG)作品。

原作は、読むと精神が崩壊する、と言われている「ドグラマグラ」

結構前に原作を読んでいたので、登場人物などは知っていたけれど、映像を改めて観ても 私の頭の中にあったイメージとほぼ同じでズレがなかったので、思い出しながら観られました。

「心理遺伝」というとても面白そうなワードが軸となってお話は進んでいく。

ドグラマグラって、語り手の「私」の夢と現実の境がなく、ぐちゃぐちゃとなりながら、訳が分からなくなりつつも進む推理もの、というイメージだったのですが。

この映画は…まさにそれだったんだけれど。その表現自体が綺麗すぎる感じでした。訳がわからなくなるのが、わかりやすく描かれている、というか。

特典映像の、監督のインタビューにて、原作者夢野さんの息子さんとお会いして、意気投合したから映画にすることを許可されたというお話。そこで、イメージを崩さないようにということだったので、原作が綺麗にまとまっているという意味ではとてもよく出来ているなあと思いました。

あ、あと 正木先生役の桂枝雀さん、声がとても良いなあと思っていたのだけれど、落語家さんなんですね、無知でした。とても素晴らしかった。

改めて原作を読みたいな。
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