このレビューはネタバレを含みます
同窓会で、憧れのイチと久々に会えて当時のインキャに戻る、でも前に進もうとするヨシカがもう愛おしくて可愛くて。
タワマンでのベランダで、10年間片思いをして、何度も何度も脳内召喚していた相手と改めて現実で話して、とっても趣味もあって良い感じだったのに…イチは自分の名前さえも覚えてなかった時。
「ここは退屈迎えにきて」が浮かんだ。
ここは〜はそれが皮肉で笑えた。なんか、フランスだとかイギリス映画のような。
でも、勝手にふるえてろ、でのヨシカにとってはそれがもう本当に、重い出来事で。そりゃ、そうなんだけど。
ここが邦画っぽいなって思った。
様々な人たちと、話したことがない、名前も知らない、あの、人との繋がりを考えさせられるカフェからのシーンで泣けました。カフェの人形のような店員さん、駅員さん、釣りのおじさん、バスで毎日隣になるおばさん…。
一人称で進む、演劇みたいな映画。
とにかくヨシカ、拗らせてる。
後半、一生懸命人と繋がろうとしてるヨシカが痛々しくて苦しかった。病む。。
お風呂場で、他人になりすまして書いた死にたいってツイートのコメントを見ながら一言「大丈夫、意外と死なない」とヨシカ。脚本の大九さんの処女作「意外と死なない」に通じるセリフ。
二、だいぶうざいけど、ラスト雨の中家に来て、マックスウザイモードに入ってるヨシカに対して寄り添って、そのあと部屋にも入ってきた時は、やっぱりいいやつだなあと思ったよ。
狭い玄関で抱き合うラスト、好きです。
イチみたいな不思議な雰囲気の人に惹かれるんだよな〜。でも、イチだって本当は普通の人なんだよな。
名前を聞かれた時に、改めて言えばそこから始まったのに…なんて思うけど、ヨシカからしたら、今までの自分の10年間が真っさらになって、ここから新しく関係がスタートする、っていうのも嫌だったのかな。
なんか、全体的に病みます。辛い。
同じ監督、脚本家さんでも、わたしをくいとめて、のほうが心に優しいです。評価はこっちのがちょい上にしておきます。