Larx0517

トロイのLarx0517のレビュー・感想・評価

トロイ(2004年製作の映画)
3.6
“神”が姿を見せない神話映画?!

ホメロスの叙事詩『イリアス』をモチーフに作られた”フィクション”。
神話、歴史の映画化ではない。

わざわざ断りを入れたのは、今作が発表されると、世界中で物議を醸し出したから。

日本でさえも、文化功労者、文化勲章受章者である歴史作家、塩野七生氏が『文藝春秋』に寄稿し、差異を指摘したくらいだ。

『イリアス』
ギリシアの叙事詩として最古のものながら、最高のものとして考えられている。
だからこその反応だろうか。

『イリアス』では、”神々”が登場し、歴史や人間に干渉する。
どの程度干渉するかといえば。
映画にも登場する、アキレスの母。
イギリスの女優ジュリー・クリスティが演じる彼女は、映画では人間のように描かれている。しかし神話では、彼女は海の女神テティスである。
映画で、彼女が海に立っての登場は、一応モチーフなのだろうが。
映画には登場しないが、父はプティーア王ペーレウス。もちろん人間。
つまりアキレスは、半神(デミゴット)。

半神は、ギリシア神話では、特に珍しくない。
有名なヘラクレスも、神ゼウスと人間アルクメネの息子。

こう書き連ねると、塩野氏のように「ここが違う」と目くじらを立てているように思われるかもしれないが。
ギリシア神話、映画、両方好きな人間が、個人的な意見を言わせてもらうなら。

今作は、完全人間ドラマに落とし込んだからこそ成功したのだろう。

単純に面白い。
なによりアキレスを演じる、ブラッド・ピットがカッコいい。
映画公開当時、彼の妻だった女優ジェニファー・アニストンが、今作のプレミアのインタビューで、
「『トロイ』のアキレス役の夫の画像をPCの壁紙に使っている」
と言ったのも納得。

さらに、『ロード・オブ・ザ・リング 』3部作を経て、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』直後、人気絶頂期のオーランド・ブルームも恋に生きる王子様役。
ちなみに2004年にイングランド国教会から改宗し、彼は仏教徒。

英米豪のイケメン俳優出演。
巨額の予算を投入して、世界的有名な古典の映像化。
血湧き肉躍る肉弾戦。

老若男女、あらゆる層にアピールでき、興行的に成功を収めたのも納得。
今見ても、充分楽しめる。
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