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聖なるもののlpのレビュー・感想・評価

聖なるもの(2017年製作の映画)
2.7
ポレポレ東中野にて最終日に鑑賞。鑑賞前日に岩切一空監督の前作『花に嵐』の噂を聞きつけ、調べたら最新作の今作が鑑賞できると分かり、飛び込みで鑑賞。(『花に嵐』は近日中に青山シアターでキャッチアップ予定。)

ほぼ事前情報なしで観たのだけれども、これが抽象的な映像の羅列に複雑な入れ子構造と、1回観ただけでは理解がなかなか追い付かない、観客にハードパンチを喰らわせる1作だった!
映画の内容は、大学の映画サークルに伝わる「4年に1度、映画研究会に現れる謎の女と作った映画は必ず大傑作になる」という噂を聞いた主人公の前に、実際にミステリアスな少女が現れ・・・という話。
映画撮影の過程を映し出す物語と、実際に主人公が撮り進める映画の物語。この2つの物語が今作のベースには存在するのだけれども、今作は映画の後半から組み込まれる第3の物語や、仕分けが難しい抽象的な映像を織り交ぜ、独創的な世界へと観客を誘う。

物語への理解は追い付かないながらも、ハッとさせられる展開・映像は随所で散見され、決して悪くはない。例えば全体的に「学生映画」のようなラフな画が多いのだけれども、途中で画の雰囲気がガラリと変わるシーンでは一気に惹きつけられた。

テーマが「映画撮影」である点も影響するのだけれども、内輪ノリな感が作品全体から出て興醒めすること。抽象的で難解な映画ではあるけれど、その根っこにある監督の主張にあまり興味を持てなかったこと。この2点が大きな足枷になり、個人的な評価としてはあまり伸びず。

内容が今作に近い『花に嵐』をキャッチアップすれば、何かまた見方が変わるかな?
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