m

ハッピー・デス・デイのmのレビュー・感想・評価

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)
4.7
嫌なヤツがタイムループから脱出しようとする中で成長していく、という訳で作り手は完全に「恋はデジャ・ブ」をバッチリ意識していて、もちろん分かっていますよという目配せも台詞でしてくる。
ループ物の必須条件であるさり気なくも特徴的な伏線をきっちりと張って、巧みにズラしつつ回収していく。嫌なヤツの成長のドラマもきっちりと描かれている。先人の功績をしっかりと学んで尚且つ独自の応用を効かせていく、よくできたループ物だった。

ループ物のセオリーを確実にしっかりと押さえつつ、この映画を独自のものにしているのが主人公のキャラクターだ。
何度殺されて大混乱に陥っても、彼女は中々めげない(めげても割とすぐ立ち直る)。何故なら彼女はビッチ・ギャルだから!ビッチのメンタリティの強さナメんなよ!という訳で前向きに立ち直っていってからの観客の予想を超える不敵なハッチャケ具合が本当にギャルって感じで、そのアッパーさが愉しい。根は良い子なのもまたギャルって感じで良い。メンタル面だけでなくフィジカル面でも強いので、割と何度も犯人を殴るのも良いです。
「ラ・ラ・ランド」ではエマ・ストーンのハウスメイト役で『Someone in the crowd』を脇で歌い踊っていたジェシカ・ロースが今回は見事に主演女優として開花、そのスレたアッパーな魅力を全開にして堂々と主役を張る。

犯人探しのサスペンスとしても、割と分かりやすい答えが見えそうと思わせてそこから観客の意識をずらしていく所がまた巧い。
タイムループの原因が分からないのはまあ「恋はデジャ・ブ」だってそうだったし良いと思う。大事なのは『何故そうなったか』より『それによってどう変化するのか』だから。

エンドロール後の続編の予告がファーストカットから笑撃的だったので、次にも期待です。
m

m