R41

祈りの幕が下りる時のR41のレビュー・感想・評価

祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)
5.0
映画館で見て、地上波で見て、プライムでも見てしまった。
東野作品の中でもトップに位置する作品だろうか。
練り込まれたプロット 
事件と母の真実を探し求める加賀恭一郎への共感
容疑者博美への共感
博美の父に対する共感
この父が動物園で博美に言った「必ず幸せになる」という言葉に対する共感
これら多数の共感がこの作品の魅力かもしれない。
さて、
この練りに練り込まれたプロット
特に最後に博美がしてしまった「父の首を絞める」ことに対する設定には、愛情と共に犯した罪への結末を同居させている。
このことがこの作品最大のジレンマというのか、良心というのか、うまい言葉が見つからないが、落ち度となっている。
博美が父の首を絞めなければ、全体像がわかっても博美は裁かれないだろう。
それでもそうした博美の父に対する愛情こそ、人間としての想いなのだろう。
何があっても父の娘であることを、博美は全世界に対し証明したのだ。
そしてその結果を受取ることになる。
イレギュラーに対応できなくなった時、26年も他人に成りすましていたこと
娘のことだけを考えて生きてきた父
26年間いつでも死ぬ準備を整えていた父 その生活
割り切れない物語
エンドロールで加賀恭一郎は日常を取り戻していたが、あの部分に差し込まれるべき映像は、少しはあったであろう母と博美の父との幸せであって欲しかったと個人的に思った。
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