ななつ

クワイエット・プレイスのななつのレビュー・感想・評価

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)
3.3
コロナ禍以前の制作なんですよね
なかなかの未来予知じゃありませんか
自由な会話を制限される生活を描いているなんて

音を立てずに何かをすることなんてできないだろうアメリカ人達にとっては劇場で鑑賞するのに最高に痺れる映画体験だったに違いありません
わたしたちは普段から映画館ではおしゃべり禁止ですし周りの迷惑を考えて音を立てずに行動することが苦ではありませんでしょ
それでも「音を立てたら死ぬ」っていう設定の今作を見るにあたっては結構なストレス感じましたからね本国ではさぞかし生きた心地がしなかったのではないでしょうか
そして手話で会話するので画面を見てないといけないんですね
これも上手な縛りで良きでしたね

どんなことにも勇気を持って立ち向かい打ち破ることを描いてきたこれまでのアメリカ映画と違ってヤツラに対して対抗する武器を全く持たないってところが新しいです
ヤツラに完全に支配権を奪われ文字通り息を潜めて地下で過ごす日々を耐え忍んでいるなんてこれまでだったら考えられない描写だなと
唯一現れる現状への抵抗が新生児の誕生を計画するってことなんですね
これもまた際どくて新しい刺激でした
確かに難民キャンプって出生率高いって聞きますし人類の生き残りを思えば赤ちゃん必要です
そしてそれは自分たちが生き抜くための物凄く強い動機になります
とてもよく考えられている脚本だと思います
さらには女の子のほうが怒りが強く行動力を示し男の子はすっかり怯えて及び腰っていう表現も新しいですね

ただちょっと彼女にかかる枷は大きすぎる気はしました

ラストへたどり着いてみればこれはこの一本で終わらせることも続きを作ることも前日譚を作ることも出来るというような波及先がいくらでも作れそうなうまいこと考えた脚本であるとますます感心しました

けれどもまぁちょいちょいご都合で畳むしわたしは途中飽きちゃってもいたのでそこまで面白くはなかったです

エミリー・ブラントとジョン・クラシンスキーが本当の御夫婦っていうの今回初めて知りました
ななつ

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