ノラネコの呑んで観るシネマ

クワイエット・プレイスのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)
4.4
評判通りの面白さ。
音に反応して人間を襲う、謎のクリーチャー群の大量出現によって崩壊寸前に追い込まれた世界。
生き残った人々は声によるコミュニケーションを封じられ、極力音を立てない様に四六時中怯えながら、ひっそりと日々を生きている。
クリーチャーは人間より遥かに強靭で、鎧の様な皮膚に覆われていて、コウモリの様な特殊な聴覚で周囲を知覚する。
反面、視覚を全く持たないので、人間たちは“音を立てない”以外以前に近い生活を送っていて、平和な日常と恐怖が同居する世界観が非常にユニーク。
エミリー・ブラント母さんとクリーチャーを研究する夫、耳の不自由な娘、臆病な息子の一家四人も農場で静かな日々を送っているが、彼らには危機が迫っている。
何しろエミリー母さんは臨月を迎えようとしているのだ!
シンプルなアイデアをとことん生かした快作。
だが一方で、突っ込みどころも満載だ。
農場では相当に電気を使っているが、あれはどこから?屋根のソーラーパネルじゃ全然足りないだろ。
また、なぜ普段使いの場所に都合よく逆さにクギがはえてるのか?クライマックスのアレもよくよく考えれば相当な御都合主義だ。
もっとも、そんなわざとらしい部分も含めて、ジャンル映画を存分に遊び倒してるのが伝わってくる、確信的なB級感覚が心地いい。
正統派怪物映画でもあり、必要ホラー耐性は限りなく低い。
ブログ記事:
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