ほとんど台詞もなく、画面全体で語りかけてくるような映画。息を殺して、凝視していれば、主人公リーガンやお母さん、お父さん、弟、みんなの感情や意思が伝わってくる。
必死で音を立てないようにする一家を、こちらも音を立てないよう静かに見守っていたので、観終わって、お湯をはるために風呂場のドアを開けた瞬間「ガチャッ」て音に驚いてしまった。
なぜだか仕組みは分からないけれど、リーガンの補聴器と、エイリアンの耳は、お互いに近づくとハウリングしてしまうようで、しかもそれはエイリアンにとっては致命傷になるようで。やつら、俊敏かつ怪力なくせに、なんて脆弱な。
最後の、お母さんとリーガンの「やったるで」という表情には、こちらもニヤリ。「あ、これが弱点なんだ」「一匹やっつけた」「なんか集まってきた」「よし、ハウリングをぶちかまそう」「わたしもライフルぶっぱなすわ」このシークエンスがまったく台詞なく展開するのが良かった。
しかし、、、水攻めにあったとき、なんで赤ちゃんを防音箱から出しちゃうの!とか、エイリアンては目が見えないくせに、なんでこんな上手に階段おりられちゃうの!とか、いろいろ突っ込みたいところはあった。
エイリアンはデモゴルゴンみたいだったなぁ、、、。デモゴルゴンが水仙なら、このエイリアンは松ぼっくりのようだった。