ナンシー

四月の永い夢のナンシーのレビュー・感想・評価

四月の永い夢(2017年製作の映画)
5.0
一編の詩を読むような映画です。
冒頭の主人公の語りから、心の奥底へ響いてきます。
セリフ一つ一つのことばに奥行きがあり、その背景に登場人物それぞれのいろんな思いや状況があることが想像されます。
アパートのひなびた畳、セミの鳴き声、台所の蛇口をひねって水を飲むこと、寝汗で髪が首にひっつくこと...
ささいな生活の出来事(また、それを感じること)こそ、素晴らしいものであり、大切にするべきものなのだと思いました。

人に言えないことを一人で抱え込む主人公の微妙な心苦しさや、それでも人には頑張って笑ったり、話を合わせたりするシーンには共感するものがありました。

監督のほかの作品も観たくなりました。
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