四月の永い夢の作品情報・感想・評価

四月の永い夢2017年製作の映画)

上映日:2018年05月12日

製作国:

上映時間:93分

あらすじ

滝本初海、27歳。中学の音楽教師を辞めて3年、近所の蕎麦屋でアルバイトをしている。変わらない日常のなかにふと訪れた一葉の手紙。それは3年前の春に亡くなった恋人が初海に向けて書き遺したものだった。隣の工場で働く青年からの求愛、かつての教え子との再会、そして初海自身が隠していた想い。一葉の手紙をきっかけに、変わることのなかった真夏の日常が少しずつ動き始める。これは、滝本初海の止まっていた季節が、再び…

滝本初海、27歳。中学の音楽教師を辞めて3年、近所の蕎麦屋でアルバイトをしている。変わらない日常のなかにふと訪れた一葉の手紙。それは3年前の春に亡くなった恋人が初海に向けて書き遺したものだった。隣の工場で働く青年からの求愛、かつての教え子との再会、そして初海自身が隠していた想い。一葉の手紙をきっかけに、変わることのなかった真夏の日常が少しずつ動き始める。これは、滝本初海の止まっていた季節が、再び動き出すまでの物語。

「四月の永い夢」に投稿された感想・評価

nonzk

nonzkの感想・評価

4.0
大好きだった貴方は消えかけていて
大嫌いな貴方の思惑だけが残っていた

貴方は私を掠めるから
私は手放すことができなくて
止まってしまった記憶の時間を
止まらせたまま。貴方を責めるのです
そして貴方から責められるのです

貴方からの言葉を私はなぞりきれなくて
貴方からの想いを私は繋ぎ止められなくて

終わり告げる春の訪れに
忘れてしまえる訳などなくて
どんな言葉も呑み込んでしまうのです

投げ捨てられた感情が彷徨う私の脳に
大嫌いだと言うこともできずに
ただ私は生きていく事しかできない永い四月の夢

人生は獲得していくものなのだとしたら
私は何か掴むことを諦めてしまっていて
何も掴めないことにどこか安心していた

人生は失っていくものなのだとしたら
ものなのだとしたら。
私は貴方を失ってもいいのだろうか

やっと自分の悲しみに肩が揺れた時、
私は貴方との時間を思い返す
閉ざしていた心のポストの口を開いて
私は貴方への手紙を送り出す

ラブレターは相手が喜ぶ言葉を書くものだと
貴方の手紙から教わったはずだけど
私は私の気持ちで最後のラブレターを綴るのです

貴方と過ごした日々は紛れも無い宝物でしたと
喪失感とある種の罪の意識。辛い過去を乗り越えようとする女性の初々しく奥ゆかしい恋の物語。主演の朝倉あきの演技も初々しく、良くも悪くも朝ドラっぽさが全編を覆う。冒頭の朗読でほのめかされる過去の哀しい現実。あることが明らかになり、乗り越えていく姿が美しい
中川監督は強いと思った。当事者じゃないとできないような感情の描き方とか、丁寧な演出だった。最初の天使の入江みたいなカットでもう惹きつけられる。ラストも良い、本当に約30年しか生きてないのか?というくらい圧巻された。

映画だとしか言えない、観終わった後語彙なくす。
三年前に亡くなった恋人から届いた手紙が、止まっていた彼女の時間を動かし始める。
手紙そのものがドラマを推進する訳ではなく、主人公の心にずっと引っかかっていた、ある想いに向き合うきっかけを与えるだけ。
90分間、彼女自身にドラマチックな事件はほとんど何も起こらない。
しかし、ずっと蓋をしていた心の奥底から少しずつかき乱され、永遠かに思われた夢から覚めてゆく。
日常的な話だけど、もの凄くエモーショナルで美しい映画的なショットが、冒頭を含めていくつかあり、ドキッとさせられる。
国立から富山のロケーション、音響演出もなかなか。
主人公を演じる朝倉あきがいい。
本作を観ると、改めて故・高畑勲監督が彼女をかぐや姫に抜擢した理由が分かる。
この人の声はとても凛としていて、ストレートに観客の心に響くのだ。
喪失と罪悪感がもたらした春の永い微睡みは終わり、リアルな人生が再び始まるまでの物語。
なつ

なつの感想・評価

4.0
朝倉あきさんの、透き通った美しい声で始まる本作…あの声で既に泣けた。
彼女の歩くシーンが多いのだが、姿勢が良く、凛としていて、一つ一つの“所作”が極めて美しく見とれた。
平成生まれの監督が作ったんやねぇ、このノスタルジックな映画を…。
詩的で、行間をよむ、そんな情緒や味わいがある映画だった。
四月は、満開の桜、命が息吹くとき、真新しい気持ちになれるとき、個人的には一番好きな時期。
そんな素晴らしい四月…。
永遠に続くと思われた“四月の永い夢”
あのラストシーン…。
良かった、歩み出せるね、きっと。
エンドロールを見て、あぁこの若い監督やスタッフ達には応援している人達が沢山居るんだなぁとじんわりした。
私も、今後を応援したい。
映画のエンドロールに
知人の名前出てくる瞬間 好き

配給:GAGA +
製作:WIT STUDIO
TY

TYの感想・評価

2.4
出演者の演技が総じて演技してます!という感じで違和感

それを助長している、というかそう見せてしまうのは絵作りと台詞回しの勿体ぶった表現なのだろう

主演女優の良さをあの意図的な笑みが台無しにしている
SakiHibino

SakiHibinoの感想・評価

3.8
とても心が洗われた、素敵な映画でした
映像が綺麗で、朝倉あきが綺麗で、見入ってしまった

冒頭の桜と菜の花に囲まれて立っていた朝倉あきの透明感とナレーションで一気に引きずり込まれた
叙情的な演出にグッとくる。しかし、いいところのグッと来る具合に反して、動きのディティールとか細かいセリフの甘さに肩透かしくらう。けど、またまたグッとくる叙情的なシーンでスクリーンに戻される。そして、ラストのカット、反則かくらい素敵。主演の朝倉あきさんが最高にハマってた。
好きな映像。日常の服装お部屋お店風景。でも、そこには観る人の感情とか奥底の想いとか思い出とかが入り込める余地があったな。日常には実はいろんな想いが染みついてるからね。
失うってことはそれが現実じゃなくなって自分の負の妄想になっちゃうから余計に辛いんだなって思った。
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