福井康之

ハンターキラー 潜航せよの福井康之のレビュー・感想・評価

ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)
4.2
ロシア近海で、ロシアの原潜コーニクが突然爆発し、それを密かに追っていたアメリカの原潜タンパ・ベイも真上からの魚雷攻撃を受け沈没した

「ロシアはかつてないほど軍備を増強している、それを否定するつもりか?弱腰など以ての外だぞ。」

海軍少将ジョン・フィスクは統合参謀本部議長チャールズ・ドネガンの指示を仰ぎ、艦長を失ったばかりの攻撃型潜水艦アーカンソーに海軍兵学校を出ていないたたき上げの艦長ジョー・グラスを新任、そして初任務なのにまさかのキナ臭さ充満のロシア領海へのタンパ・ベイ捜索任務を命じる

「48時間隠密行動をとれる者は?」

国家安全保障局のジェーン・ノーキストは詳細な状況捜査のため4人のネイビーシールズをロシアのポリャルヌイ海軍基地へ送り込むが、そこでロシア国防相ドゥーロフが大統領のザカリンを拘束しクーデターを起こす瞬間を目撃する

「スーツの連中はいったい何考えてんだ?」

一触即発の状況の中、グラス艦長とネイビーシールズにロシア大統領ザカリンの救出というとんでもない任務が新たに命じられる

「どちらのためかは問題ではない…未来のためだ。」

僕がサイレントサービス(潜水艦隊)をかっこいいと思ったキッカケはかわぐちかいじさん原作の漫画"沈黙の艦隊"を読んだときなんだよね。

「わかってたのか?」
「いえ…願ってました。」

潜水艦の戦闘てのは独特で、陸戦闘みたいな目で確認して狙うってんじゃなく、耳をたよりに手探り状態での戦闘になるから一見地味だけど、その分とてつもない心理戦がキモになってて、グラス艦長のセリフでも垣間見る"人生の大半を海の中で過ごす"潜水艦の乗組員てやっぱり何か特別な意識を持ってるような気がして、それこそ海江田艦長の影響が強いんですけど、それがこの映画での主人公であるグラス艦長からも伝わるものがあっておもしろかった。

「君以外にはおそらくいないだろうな…今回のような偉業を成し遂げる艦長は。」

現実的には無謀すぎる内容でツッコミどころありありなんだけど、アクションエンターテインメントですからね…リアリティが必要なとこにはちゃんとあるし、その中での荒唐無稽な内容ですから全然文句なしにおもしろいです。

「孫ができても自慢できないな。」

ちなみに…製作のジョン・トンプソンさんとアンドロポフ艦長を演じたミカエル・ニクヴィストさんには遺作となってしまわれたそうで御冥福をお祈りいたします。
福井康之

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