渡辺静

トップガン マーヴェリックの渡辺静のネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

アメリカ海軍のエリート飛行士訓練校「トップガン 」に、かつて天才パイロットと呼ばれたマーヴェリックが教官として帰ってくる。その目的は、対地攻撃作戦に挑む若きパイロットたちを訓練するため。
生徒の中には、マーヴェリックのかつての相棒、故グースの息子もいた。彼は、マーヴェリックに対し恨みを抱いていた。

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後悔した。
1作目『トップガン 』、もっと早く観ときゃよかった!!!

本作を観るための予備知識として、前日に初めて観た僕である。
これはとてももったいないことをした。
なぜなら、1作目と本作の間の「時間」が、本作の最高の面白さスパイスになっているからである。

1作目公開当時から36年、
当時若者だった観客も歳をとっただろう。
でも本作のマーヴェリックも「同じだけ」歳をとってるのである。
それにより、観客はマーヴェリックというキャラが実在しているかのように感じる。自分に36年間の人生があったように、マーヴェリックにも、これまでの人生があったのだと。
キャラに感情移入させるテクニックとしては飛び道具のような、本作でしかできない素晴らしい設定。

1作目は青春群像の趣が強かったが、
本作はちゃんと骨子のシリアスな課題が設定され、アクションに振り切っている。
「過去の精算」というテーマがすごく効果的に機能している。ここでも、36年経っての続編というアドバンデージが生きてくる。事あるごとに1作目を想起させてくる演出。

思い出せるだけ列挙する。
・オープニングの「デンジャーゾーン」(さすがに古いが、1作目を思い出さずにはいられないだろう)
・トムのオフィスの壁に、当時の写真。(グース!😭)
・滑走路をバイクで疾走!(精神が変わってない笑😭)
・バーでの「火の玉ロック」の演奏。(あの息子がこんなに大きくなって😭お父さんとの思い出の曲なんだね😭)
・「バーで出会った奴が教官だった!」1作目と本作では立場が逆になっている。
・アイスマンとの関係。(あの頃はあんなに険悪だったのにね😭)(マーヴェリックとの写真、飾ってるんだ😭)
・前作はビーチバレー、本作はビーチラグビー(?)
・グースを死なせてしまったことの後悔、今度は死なせない、という過去の精算。
・お決まりの管制塔への挨拶

すごい。
あざといまでに、郷愁を誘い、しかし新鮮さを見せつけてくれる。
アイスマンと「スマホで」連絡をとっているのも、現代を生きているんだなぁと実感できる。

僕の隣に座っていたオジサンは、終始泣きに泣いていた。もしかしたら36年前に劇場で1作目を観てた人なのかもしれない。
それがすごく羨ましかった。
渡辺静

渡辺静