Frengers

トップガン マーヴェリックのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

@IMAX

一番最初のバーのシーンが余りに好きすぎた。ペニー(ジェニファー・コネリー)に過去と同じことはしたくないと言われながら(最高のタイミングでかかるボウイ「Let's dance」)、自分の過去を思わせる若い操縦士がやってきて、ジュークボックスで86(公開年)を押して、過去の再演が始まってしまい、蚊帳の外のマーヴェリックが窓(スクリーン)の前から後ずさりしながら消えていくまで。つまり映画とマーヴェリックが過去のままでは居られないことを表現する切なさが滲み出ていた。
 時間(時代)が最大の敵の中、アイスマンに「過去は水に流せ」と言われ、同時に過去と向き合いながら、奇跡を信じながら前人未踏のミラクルに挑む…これはトム・クルーズそのものに他ならない。相手軍の描写がほぼなく顔も写さずアメリカ国旗の前に立たせてるのも、アメリカ映画(グローバリゼーション?)の行く末が問題だからだろう。だからこそ2人乗りや窓から抜け出し、F-14、といった過去の意匠を踏まえさらに物語を先へ。「考えないで、ただやる」しかなかったのだと思った。
トム・クルーズの顔や仕草はヒーロー然としながら、同時に自分は永遠には若くないことに対して批評的で、それ故ヒロイックに感じなかった。その事が凄いなと思うし最高だと思った。

映像面で言えば結構文句あるのですが、点数はつけないでおきます。ただこれは「今」についての映画であり、ノスタルジーな作品ではない。ただ大きな画面で立ち会う以外ない、そんな作品。
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