おいなり

トップガン マーヴェリックのおいなりのレビュー・感想・評価

4.3
そんでトップガン・マーヴェリックですよ!

そこまでオリジナルのトップガンに思い入れがあるというわけではなかったのに、連続上映で観たのもあってめちゃくちゃ熱かった!


オープニングからおなじみDanger ZoneをBGMに戦闘機の離着陸シーンで前作を完全トレース。トム・クルーズがムチャするイントロにはじまり、訓練を通して半裸でスポーツしたりしながら絆を深めていく仲間たち、恋の鞘当て……と、丁寧に旧作をなぞる序盤の展開は、もはや続編というよりはリメイクの域で前作リスペクトがすごい。
そこからインポッシブルなミッションに挑むトム・クルーズら「トップガン・パイロット」たちを描く後半戦の怒涛の展開は、前作の濃縮還元5000%って感じで。
作戦開始からずーーーっと緊張状態が続いて、次から次へと絶体絶命のピンチの波状攻撃で、何回奇跡起こしても足りないくらいの展開に見終わった後の感想は「心臓が疲れた……」という、今まであんまり感じたことがないものに。

その分カタルシスが半端なくて、もうアイツがアソコで出てきた時はイエーーーーッッッ!!!つって立ち上がりかけた。



トム・クルーズは歳とってもカッコいい。2階の窓から飛び降りてコケる姿すら気品がある。
AI無人戦闘機が台頭する中で、絶滅危惧種である戦闘機パイロットという職業。でもその職業を超えて「パイロットは俺自身だ」というマーヴェリックの足掻きが奇跡を生むというプロットがいいですね。前作公開後に海軍入隊者が激増したという話は有名だけど、だとしたら本作の若いパイロットたちと同世代の現実の海兵の中にも、マーヴェリックに影響されてその道を志した人もいるだろうなぁなんて思うと、彼が教官として戻ってくるのはスポ根って感じで良い。

ヴァル・キルマーも、病気で声が出せない中で、SMS筆談や掠れた声でまたアイスマンを演じてくれて、なんかこう、映画のキャラクターを超えた男同士のガッチリとした友情を感じて胸熱だった。

続編映画としては完璧に近いが、それだけでなく、「トップガンという経験」を持つすべての人に対するラブレターでもある。
かつてトップガンを観て、トムの演じるパイロットに憧れた全ての人の人生に対して、ダイレクトに語りかけてくる。

観客が見たいものを見せてくれるという意味では、確実に100点満点。トム・クルーズは永遠に。
おいなり

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